
非接触決済に対応したおすすめ決済端末5選

PAYESCORT 編集部

コロナ禍以降、非接触での決済ニーズが急速に高まっています。
キャッシュレス化が進む中、特に「触れない決済」は店舗運営者にとって重要な選択肢となりました。
この記事では、非接触決済の基本から、小規模店舗、出張サービス、イベント出店など様々なシーンで活用できるおすすめの決済端末を紹介します。
※注意:以下の情報は執筆時点のものです。料金や製品仕様は変更される可能性があるため、最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。実際の効果や導入プロセスは個々の状況によって異なります。
この記事でわかること
・非接触決済に対応した決済端末の特徴と選び方
・各利用シーン(店舗、出張、イベント)に適した端末の紹介
・導入時の注意点や成功事例の紹介
この記事の対象の方
・非接触決済を導入したい小規模店舗の経営者
・出張サービスで非接触決済を検討している個人事業主
・イベントやポップアップストアで短期間の非接触決済導入を考えている方
非接触決済とは?その特徴とメリット
非接触決済とは、カードやスマートフォンを決済端末にかざすだけで支払いができる仕組みです。クレジットカードを差し込んだり、サインや暗証番号を入力したりする必要がありません。

カードやスマートフォンに内蔵されたICチップとアンテナを使って、無線通信で決済情報をやり取りします。
非接触決済には主に以下のような種類があります。
決済種類 | サービス例 | 特徴 |
---|---|---|
クレジットカードの非接触決済![]() ![]() | Visaのタッチ決済 Mastercardのコンタクトレス JCBのタッチ決済 American Expressのコンタクトレス | カードをかざすだけで決済完了 少額決済は暗証番号不要 |
電子マネー![]() ![]() | 交通系ICカード(Suica、PASMO、ICOCA) 楽天Edy nanaco WAON iD QUICPay | チャージして使う前払い式が多い 少額決済に便利 |
スマートフォン決済![]() ![]() | Apple Pay Google Pay 楽天ペイ PayPay LINE Pay ※2025年4月30日にサービス終了しています。 d払い メルペイ | スマホをかざすだけで支払い可能 クレジットカードや銀行口座と連携 |
非接触決済を導入すると、次のようなメリットがあります。
決済スピードの向上
従来の決済方法と比べて、非接触決済は約2倍速く処理できます。

参照:決済速度に関する実証実験結果 | JCB グローバルサイト
カードの挿入やサインも不要なため、会計時間が大幅に短縮されます。特に混雑する時間帯では、待ち時間の削減につながります。
顧客満足度の向上

スムーズな会計体験は顧客の満足度を高めます。特に若い世代やテクノロジーに詳しい顧客層は、キャッシュレス決済を好む傾向があります。多様な決済手段を提供することで、顧客の選択肢が広がります。
衛生面での利点

非接触決済では、端末やカードの受け渡しが最小限に抑えられるため、接触機会が減少します。新型コロナウイルスなどの感染症対策として有効です。特に飲食店や対面サービス業では、顧客と従業員双方の安全を確保できます。
売上の向上
非接触決済を導入した店舗では、客単価が平均10%程度上昇するというデータもあります。現金決済と比べて、お客様は財布の中の現金に制限されることなく買い物ができるためです。
現金管理の手間削減
キャッシュレス決済が増えることで、レジの現金管理や釣り銭の準備、入金作業などの手間が減ります。これにより、オペレーションの効率化とミスの削減が期待できます。
非接触決済は、スピーディーな会計処理と衛生面の向上という二つの大きなメリットを同時に実現できる決済方法です。特にコロナ禍以降、接触を減らす決済手段として急速に普及しています。
非接触決済端末の選び方と導入のポイント
非接触決済端末を選ぶ際には、自分のビジネスに合った端末を選ぶことが重要です。
以下に、選び方と導入時のポイントをご紹介します。
利用シーンに応じた端末の選定基準
利用シーンによって、必要な機能や適した端末は異なります。
店舗固定型
レジカウンターに設置して使用する場合は、安定した通信環境と電源が確保できるため、多機能で処理能力の高い据え置き型端末が適しています。レシートプリンター連動や在庫管理機能なども検討しましょう。
移動・外出型
訪問販売や出張サービス、イベント出店などでは、バッテリー駆動でコンパクトなモバイル型端末が便利です。無線通信(4G/LTE)に対応し、バッテリー持続時間が長いモデルを選びましょう。
テイクアウト・配達型
飲食店のテイクアウトやデリバリーでは、スピーディーな決済処理が重要です。QRコード決済や非接触決済に対応した小型端末が適しています。
おすすめの非接触決済端末5選
ここでは、特に非接触決済に対応した決済端末の中から、おすすめの5つをご紹介します。それぞれの特徴や料金体系、向いている利用シーンなどを比較しながら解説します。
1. Squareターミナル:多様な決済方法に対応し、操作性が高い

参照:キャッシュレス決済端末 | Square ターミナル | Square (スクエア)
Squareターミナルは、洗練されたデザインと使いやすさで人気の決済端末です。タッチスクリーンで直感的に操作でき、クレジットカードの非接触決済だけでなく、電子マネーやQRコード決済にも幅広く対応しています。
主な特徴
- 非接触決済、ICチップ、磁気カード決済に対応
- Apple Pay、Google Pay、各種QRコード決済に対応
- Wi-Fi接続とバッテリー内蔵で持ち運びも可能
- レシート印刷機能内蔵
- 在庫管理や売上分析などの管理機能が充実
料金体系
- 端末代金:39,980円
- 月額費用:無料
- 決済手数料:2.5〜3.25%(2025年5月執筆時点の情報)
- 入金サイクル:翌営業日
こんな人におすすめ
Squareターミナルは多機能で使いやすいため、店舗での固定利用から小規模なイベント出店まで幅広いシーンで活躍します。特に、決済データと在庫管理を連携させたい小売業や飲食店に向いています。
2. Airペイ:初期費用無料で、幅広い決済手段に対応

参照:Airペイ(エアペイ) – カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス
Airペイは、リクルートが提供する決済サービスで、初期費用無料で導入できる点が特徴です。多様な決済手段に対応しており、特に飲食店や小売店に人気があります。
主な特徴
- 非接触決済、ICカード、磁気カード決済に対応
- 電子マネー(交通系IC、iD、QUICPay)対応
- 各種QRコード決済(PayPay、楽天ペイなど)対応
- 予約管理、顧客管理機能との連携が可能
- グルメサイト「ホットペッパー」との連携
料金体系
- 初期費用:無料
- 月額費用:1,980円〜(税込)※端末料込み
- 決済手数料:3.24%〜(クレジットカード)
- 入金サイクル:月6回、または3回
こんな人におすすめ
Airペイはホットペッパーグルメやホットペッパービューティーを利用している飲食店や美容室との相性が良く、予約から会計までをスムーズに連携できます。初期費用をかけずに導入したい事業者にもおすすめです。
3. stera pack:高いセキュリティと多機能性が特徴

参照:キャッシュレス決済サービス「stera pack(ステラパック)」|あなたのお店にゆとりを。
stera packは、国内決済サービス大手のGMOペイメントゲートウェイが提供する決済端末です。セキュリティの高さと多機能性が特徴で、中小企業から大手チェーン店まで幅広く利用されています。
主な特徴
- 非接触決済、ICカード、磁気カード決済に対応
- 電子マネー(交通系IC、iD、QUICPay)対応
- 国際ブランド(VISA、Mastercard、JCB、銀聯)対応
- 多言語対応(英語、中国語、韓国語)
- 高度なセキュリティ基準(PCI DSS)に準拠
料金体系
- 初期費用:0円(キャンペーン時)
- 月額費用:各プランごとに変動(1年目無料、2年目より3,300円など)
- 決済手数料:1.98%〜(クレジットカード)
- 入金サイクル:毎日締め(2営業日後払い)、月2回締め15日後払い、月2回締め2営業日後払い、月6回締め2営業日後払いの4パターン。
こんな人におすすめ
stera packは、外国人観光客が多い店舗や、セキュリティを重視する事業者に特におすすめです。また、複数店舗展開している事業者には、管理機能の充実度から選ばれることが多いです。
4. STORES決済:コンパクトで持ち運びに便利、短期利用にも適している

参照:STORES(ストアーズ) | 店舗の売上をあげる総合プラットフォーム
STORES決済は、コンパクトでシンプルな決済端末が特徴で、特に移動販売やイベント出店などの短期利用に適しています。スマートフォンと連携して使用するタイプの決済端末です。
主な特徴
- 非接触決済、ICカード、磁気カード決済に対応
- スマートフォンと連携して使用するコンパクト設計
- 最短即日から利用可能
- ECサイト構築サービス「STORES」との連携
料金体系
- 初期費用:なし
- 月額費用:無料、もしくは3,300円(税込)
- 決済手数料:1.98%〜(クレジットカード)
- 入金サイクル:月末締めの翌月末払い(土・日・祝日および年末年始は除く)
こんな人におすすめ
STORES決済は、特にポップアップストアやフリーマーケット出店者、移動販売、出張サービスを提供する個人事業主に向いています。コンパクトさと導入のしやすさが魅力です。
5. PayCAS Mobile:多様な決済手段に対応し、導入が容易

参照:さまざまな決済に対応 PayCAS Mobile – PayPay
PayCAS Mobileは、使いやすさと拡張性を重視した決済端末です。Android OSベースの端末で、将来的な機能追加にも柔軟に対応できます。
主な特徴
- 非接触決済、ICカード、磁気カード決済に対応
- 電子マネー(交通系IC、iD、QUICPay)対応
- 各種QRコード決済に対応
- Androidベースで操作が直感的
- バッテリー持続時間が長く、終日の外出にも対応
料金体系
- 初期費用:「中小事業者応援プログラム」であれば無料
- 月額費用:1,980円〜
- 決済手数料:2.48%〜(クレジットカード)
- 入金サイクル:1回目当月15日締 :当月末振込、2回目当月末締 :翌月15日振込など
こんな人におすすめ
PayCAS Mobileは、特に出張サービスを提供する事業者や、イベント出店が多い事業者に向いています。バッテリー持続時間が長く、安定した通信環境がない場所でも活躍します。
利用シーン別の非接触決済端末の活用事例
非接触決済端末は様々なビジネスシーンで活用されています。ここでは、具体的な導入事例を紹介し、それぞれのシーンに最適な端末選びのポイントを解説します。
小規模店舗での導入事例

小規模な店舗では、コストを抑えながらも顧客満足度を高める決済環境の構築が求められます。カフェや美容室など、様々な業種での導入事例を見てみましょう。
カフェでは、Airペイを導入することで会計時間を短縮し、混雑時の回転率を向上させています。特にランチタイムは現金の取り扱いが減ることで、衛生面でも顧客から好評です。また、データ管理機能を活用して人気メニューの分析も行っています。
美容室では、STORES決済を導入し、施術後の会計をスムーズに行っています。特に予約システムと連携させることで、予約から施術、会計までの一連の流れをデジタル化し、顧客情報の管理も効率化されました。顧客からは「会計がスムーズで次の予約もその場でできるので便利」という声が寄せられています。
小規模店舗での導入メリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 現金管理の手間とミスの削減
- 会計時間の短縮による顧客満足度向上
- データ分析による経営改善
- 新規顧客の獲得(キャッシュレス志向の顧客層)
小規模店舗に適した端末としては、初期費用を抑えられるAirペイやSTORES決済、多機能で拡張性のあるSquareターミナルなどが人気です。
特に、他のシステム(予約管理、在庫管理など)との連携が可能な端末を選ぶと、業務効率化の効果が高まります。
出張サービスでの導入事例

訪問美容師や出張マッサージなど、顧客の自宅や指定場所でサービスを提供する事業者にとって、持ち運びやすさと安定した通信環境が重要です。
訪問美容サービスでは、コンパクトなSTORES決済を導入し、スマートフォンとのペアリングで会計処理を行っています。お客様の自宅で施術後すぐに支払いができるため、現金の用意や後日振込などの手間が省け、顧客満足度が向上しました。
出張マッサージ業では、バッテリー持続時間の長いPayCAS Mobileを活用し、1日に複数の顧客宅を訪問する際も安心して使用できています。特に高齢のお客様からは「現金を用意する手間が省けて助かる」との声が多く、リピート率の向上にも繋がっています。
出張サービスでの導入メリットは以下の通りです。
- 現金授受の煩わしさ解消
- 顧客との接触機会の削減
- プロフェッショナルなイメージの向上
- 未回収リスクの低減
出張サービスに適した端末としては、バッテリー駆動時間が長く、コンパクトで持ち運びやすいSTORES決済やPayCAS Mobile、Squareターミナルなどが適しています。特に通信環境が安定しない場所でも利用できるオフライン決済対応の端末があると安心です。
イベントやポップアップストアでの導入事例

短期間の出店やイベント販売では、迅速な導入と撤収、シンプルな操作性が求められます。
期間限定のポップアップストアでは、申込みから最短即日で利用できるSTORES決済を導入し、スピーディーな立ち上げを実現しました。特に若い客層が多いエリアでは、キャッシュレス決済率が80%を超えるケースもあり、売上向上に大きく貢献しています。

参照:キャッシュレス決済実態調査2023(速報)|NIRA総合研究開発機構
屋外フードフェスティバルでは、Squareターミナルのバッテリー駆動機能を活用し、電源確保が難しい環境でも安定した決済処理を実現しました。また、複数の出店者がクラウド上で売上データを共有し、イベント全体の売上管理を効率化しています。
イベント利用での導入メリットは以下の通りです。
- 迅速な導入と撤収
- 現金管理リスクの低減(盗難・紛失など)
- 売上データのリアルタイム把握
- 顧客の購買意欲向上
イベント出店に適した端末としては、短期レンタル可能なAirペイや、初期設定が簡単なSTORES決済、バッテリー内蔵のSquareターミナルなどが人気です。
特に多額の現金を扱うリスクを減らせる点は、イベント出店者にとって大きなメリットとなっています。
非接触決済導入時の注意点と対策
非接触決済端末を導入する際には、いくつかの注意点があります。スムーズな運用のために、事前に対策を講じておきましょう。
端末の操作性やトラブル時の対応策
非接触決済端末は便利な一方で、操作方法の習得やトラブル対応には準備が必要です。
操作習熟のポイント
- 導入前にスタッフ全員への操作研修を実施する
- よくある操作手順をマニュアル化して店舗に常備する
- 新人スタッフには必ず研修期間を設ける
よくあるトラブルと対応策
トラブル種類 | 対応策 |
---|---|
通信エラー | ・バックアップの通信手段(Wi-Fi/有線切替えなど)を用意する ・オフライン決済機能があるかを確認しておく |
バッテリー切れ | ・モバイル端末は予備バッテリーやモバイルバッテリーを常備 ・充電ケーブルの予備も用意しておく |
決済エラー | ・エラーコード別の対応マニュアルを作成しておく ・代替決済手段(現金、他の決済アプリなど)を案内できるようにしておく |
端末故障 | ・サポートセンターの連絡先を店舗に掲示しておく ・代替機がすぐに届くサービスを選ぶ |
特に繁忙期や重要なイベント前には、テスト運用を行って問題がないことを確認しておくことをおすすめします。
セキュリティ対策と顧客情報の保護

非接触決済では、顧客の決済情報を扱うため、セキュリティ対策は最重要課題です。
基本的なセキュリティ対策
- 端末の管理者パスワードは定期的に変更する
- 使用していない時は端末をロックする
- スタッフごとにアカウントを分け、権限を適切に設定する
顧客情報保護のポイント
- 顧客のカード情報は絶対に書き留めない
- レシートやデータ上にカード番号が記載されないよう設定を確認
- 不要になった顧客情報は適切に廃棄する
対面決済時の注意点
- 決済処理は必ずお客様の目の前で行う
- カードを預かる時間を最小限にする
- 決済完了後は必ずレシートを渡す
不正利用防止策
- スタッフに不正利用の兆候や不審な行動の見分け方を教育
- 大きな金額の決済には追加確認プロセスを設ける
- 取引履歴を定期的にチェックする習慣をつける
決済サービス提供会社のセキュリティ認証(PCI DSS準拠など)を確認するのも重要です。万が一の情報漏洩時の補償内容についても事前に確認しておくと安心です。
導入後のサポート体制の確認と活用
非接触決済端末の導入後も、継続的なサポートと最新情報の確認が大切です。
チェックすべきサポート内容
- 電話サポートの対応時間(24時間対応か、営業時間内のみか)
- チャットサポートやメールサポートの有無
- 技術者の派遣対応の可否と費用
- マニュアルや動画などの自己解決ツールの充実度
効果的なサポート活用法
- 定期的なアップデート情報のチェック
- ユーザーコミュニティや事例集の活用
- トラブル発生時の問い合わせ履歴の保存
- 同業他社の導入事例の研究
運用改善のために
- 決済データを定期的に分析し、傾向を把握する
- 顧客からのフィードバックを収集し、改善に活かす
- スタッフからの操作性に関する意見も積極的に集める
導入してからも定期的に最新の機能や料金プランをチェックし、必要に応じて見直すことで、常に最適な決済環境を維持できます。また、決済端末提供会社が開催するセミナーやウェビナーに参加することで、最新のトレンドやノウハウを学ぶことができます。
まとめ:最適な非接触決済端末を選ぶために
非接触決済端末は店舗運営の効率化と顧客満足度の向上に大きく貢献するツールです。
ビジネスタイプに応じた最適な端末選びが重要で、店舗型なら多機能性に優れたSquareターミナルやAirペイ、出張サービスならバッテリー持続と携帯性の高いSTORES決済やPayCAS Mobile、イベント出店なら短期導入が容易なSTORES決済、観光地店舗なら多言語対応のstera packといった選択肢があります。
導入効果を最大化するには、スタッフ教育の徹底、お客様への積極的な周知、決済データの活用、そして定期的な見直しが欠かせません。
政府もキャッシュレス化を推進しており、今から適切な端末を導入して運用に慣れることで、将来的な競争力強化につながります。
非接触決済端末の導入は単なる決済手段の追加ではなく、ビジネス成長を加速させる重要な投資と言えるでしょう。